歯の隙間が臭いと思われた時、歯周組織で何らかのトラブルが起きている可能性が高いです。今日は歯の隙間が臭い原因や、歯の隙間を清潔にする方法について詳しくご紹介いたします。
歯の隙間が臭い！
「歯の隙間から何か臭う」「最近口臭が強い」このようなお悩みを抱えている方は、なるべく早めに歯科医院の受診をおすすめします。歯と歯の隙間から臭い液が出ていたり、歯肉が急に腫れているなどの症状に心当たりはありませんか。実はこの前段階で歯茎の炎症が起きていたことが多く、軽度であればご自身のケアで改善をすることが可能です。ただし、歯の隙間から臭い液が出ている場合は、膿である可能性が高く、歯科医師による対処が必要です。
歯の隙間が臭い原因
口臭は細菌が分解した際に発生する硫黄ガスです。硫黄ガスや膿が出るのは、歯や歯茎などの歯周組織が細菌感染している状態です。考えられる原因は下記のものでしょう。
虫歯
虫歯の原因菌
- ストレプトコッカス・ミュータンス菌
虫歯から口臭が発する理由
- 食べかすから糖を吸収して酸を排出し、口腔内に露出するエナメル質、内部の象牙質、更に内部の神経（歯髄）に進行します。
- 神経が死ぬと細菌は神経の末端まで進み、歯の根（歯根）に膿の袋（嚢胞）を作ります。
- 膿の袋に穴が開くと膿が口腔内に流れてしまい、臭いを伴うため、口臭が強いと感じられる理由の一つになるでしょう。
また、被せ物や詰め物などの人工修復物が精密に作られていなければ、その下に細菌が侵入し、虫歯が生じます。二次むし歯は、白い歯と比べて表面が見えないため、進行度合いがわからず、膿を発した時に初めて被せ物の下に虫歯があるかもと気付く方も多いです。
歯周病
歯周病の原因菌
- アクチノバチルス・アクチノマイセテムコミタンス（A.A菌）
- プロフィロモナス・ジンジバリス（P.G菌)
- プレボテーラ・インテルメディア(P.I菌)
- スピロヘータ
歯周病から口臭が発生する理由
- 健康な人でも300～400種類ほどの常在菌が口腔内に存在しており、歯周病の原因菌となる細菌が歯と歯肉の間に侵入すれば、歯周ポケットの形成が起こります。
- 酸素を嫌う歯周病の原因菌が歯周ポケットに潜在し増殖すれば、歯肉が炎症や腫れを起こします。
- 進行すると毎回歯磨きの際に出血し、口臭を感じるようになります。
- 更に重度になると、歯を支える骨（歯槽骨）を破壊してしまうため、歯が抜け、噛むなどの機能が出来ず、健康なお口の状態を保てなくなります。
歯の隙間を清潔にする方法
歯の隙間を清潔に保つにはどうすれば良いでしょうか。歯の隙間を衛生的にするには、歯と歯茎、歯と歯が接する部分を注意して磨くことが大切です。
歯石になる前に除去しよう
歯の表面の大きな面は磨いているという方も多いでしょうが、歯間に意外と食べかすや歯垢（プラーク）が付着しています。歯間にくっついた歯垢は、唾液の成分と結合し、固い石のような状態になります。この状態を歯石と呼び、自分で除去することができません。歯科医院の専門の器具で、資格を持った歯科衛生士がクリーニングを行わなければ、歯茎や歯を痛めてしまう可能性があります。
歯の隙間はケア用品で清潔に
お口の中を清潔にするためには、歯ブラシで通常の歯みがきを終えた後に、下記のデンタルケア用品を利用しましょう。
デンタルフロス
- 歯間の汚れを落とす口腔内の掃除道具
- Y型・F型の柄（ホルダー）付きのタイプと、糸巻きタイプの二種類の形状があります。
- 歯に沿いながらやさしく歯周ポケットの歯垢を掻き出すようにしましょう。
歯間ブラシ
- 歯間の隙間を掃除する小さな歯ブラシ
- 近年食生活の変化によりあごが小さい方が多いため、歯が押し合い、歯間ブラシが入らないという方もおられます。
歯間ブラシのサイズは何種類かありますが、どうしても入らない場合は無理に歯間に入れないようにしましょう。
マウスウォッシュ
- 歯磨き後に使用する洗口液タイプはお口の中の細部まで液体が行きわたります
- より効果的な薬用のマウスウォッシュを使用すると良いでしょう。
毎食後にこれらのデンタルケア用品を使用し、歯の隙間を清潔に保つのは難しい方もおられます。その場合、就寝前の歯磨きで行うとより効果的です。
歯の隙間の臭いに関するQ&A
口臭は主に硫黄ガスが原因で、これは細菌が分解する過程で発生します。また、歯周組織が細菌感染すると硫黄ガスや膿が出ることもあります。
歯の隙間から臭い液が出るのは、虫歯や歯周病が進行し、膿が生成されている可能性が高いからです。
歯の隙間を清潔に保つためには、歯と歯肉、歯と歯が接する部分を注意深く磨くことが重要です。また、デンタルフロスや歯間ブラシ、マウスウォッシュなどのケア用品を利用することも推奨されます。
まとめ
周囲の人と話す際に口臭が気になると、どうしても楽しく会話が出来なくなってしまいます。歯の隙間の臭いが気になるという方は、一度かかりつけのクリニックへ受診されることをおすすめします。また、寝る前にしっかりと歯の隙間を清掃し、歯はもちろん、歯間も清潔に保ちましょう。
