飛行機に乗った時、急に歯が痛いという症状が出ることがあります。今日は、歯が痛い原因や対処法についてご案内いたします。
飛行機で歯が痛い原因とは
空を飛ぶ飛行機の中で、急に歯の痛みや、歯が浮く感じがして気分が良くないという体験はありませんか。気圧の変化により歯に痛みが生じることを、歯科の専門用語で航空性歯痛と呼びます。
気圧の変化
飛行機は、上空を飛ぶ乗り物のため、通常の生活を送る地上よりも、20%程度気圧が低くなります。20%と言われてもピンとこない方もおられるでしょう。おおよそ標高2000メートルの山に登っている状態と同等です。
虫歯治療を行った際に、虫歯を削って除去した穴に薬剤を詰めて蓋をする治療が多いです。その薬が気圧の変化で漏れてしまい、しみる痛みを感じる方がいらっしゃします。
気圧が低下すると、鼻の横あたりにある上顎洞や、歯の内側の穴である歯髄腔にある空気も膨張します。歯の内側の空気の膨張で歯に圧がかかり、痛みが生じます。
例えば、スナック菓子の袋でパンパンに膨張しているものを見かけたことがある方も多いでしょう。飛行すると、体内でも同じように空気が膨らんでしまっています。飛行機で耳がキーンとなったり、耳が変な状態になる方がおられるでしょうが、歯の空気の状態と同様です。耳の中の空気が離着陸で急激に膨張する関係により起こります。
精神的な緊張
飛行機の搭乗を行う度に、痛くなる人がおられます。それは、身体的な問題というよりも、精神的な緊張が原因です。例えば飛行機に乗って強く痛みを感じてしまう経験をすると「飛行機に乗るたびに痛みが生じるのではないか」と不安に思う傾向にあります。
たまたま、飛行機に乗った際に虫歯の痛みを感じただけで、毎回起こるわけではないと考えるようにしましょう。
飛行機や旅先でできる対処法
歯科医院で虫歯の治療中の方は、治療が終了するまで飛行機を避けておくようにしましょう。特に神経の治療をされている方は、歯の痛みが出る恐れがありますので、旅行前に治療を完了させるのがベストです。とはいえ、急な出張などお仕事やスケジュールの都合上、歯の治療途中でも海外に行くため搭乗せざるを得ないという方もおられます。その場合は、どのような対処法をとれば良いのか、ご紹介します。
①鎮痛剤を服用する
フライトスケジュールが決まっている場合は、クリニックで歯科医師にあらかじめ相談し、鎮痛剤を処方してもらいましょう。鎮痛剤を飲んでいると、痛みは軽減できます。一般的な市販される痛み止めの薬よりも効果があります。
②仮眠をとる
睡眠をとっている間は、痛みを感じることはありません。できるだけ機内で仮眠をとるようにし、体力や気持ちの回復、および痛みを感じる時間をなるべく減らしましょう。
旅先での通院は難しい方も多いと思われます。カルテやご自身の歯を知らない医院へ行って、症状や既往歴を説明するのは、患者様ご自身も疲れてしまいます。痛みが強い場合は、市販の痛み止めを購入して服用し痛みを和らげ、帰宅してからは、なるべく早くかかりつけのクリニックへ通院し、担当医に症状の改善を対応してもらいましょう。
飛行機に乗ると歯が痛くなる理由に関するQ&A
航空性歯痛は飛行機に乗って気圧が変化することによって歯に生じる痛みを指します。気圧の変化が歯の内側の空気を膨張させ、痛みを引き起こすことがあります。
飛行機に乗ると気圧が低下し、歯の内部の空気が膨張し痛みを引き起こすことがあります。また、虫歯治療後の薬剤が漏れ出し痛みを引き起こすこともあります。
市販の痛み止めは痛みを和らげ、快適な飛行を助けます。しかし、痛みが強い場合や持続する場合は、帰国後すぐに歯科医師に相談することが重要です。
まとめ
むし歯の痛みや自覚症状が全くない方でも、飛行機に乗ることで痛みが起こりうるケースがあります。二次むし歯など自覚症状のない虫歯が進行し、膿が溜まっている可能性があるので、早めの通院を行いましょう。歯周病など他のお口のトラブルも早めに治療ができ、歯や歯肉を健康な状態に保つことが可能です。定期的にクリーニングやむし歯チェックを歯医者さんに行くことで、自分の歯を長く噛める歯にし、歯の病気を予防しましょう。