予防歯科の重要性について詳しくご紹介いたします。
予防歯科とは
予防歯科とは、虫歯や歯周病などの歯科疾患を予防することを目的とした歯科医療の一分野です。定期的な歯科検診やクリーニング、フッ素塗布、シーラントの使用などが含まれます。
予防歯科の重要性
健康維持
定期的な歯科検診を受けることで、初期段階での虫歯や歯周病などの疾患の発見が可能になります。早期発見と早期治療を行うことで、重篤な症状を防ぎ、全身の健康維持にもつながります。例えば、歯周病は糖尿病や心疾患との関連性が指摘されています。
経済的負担の軽減
予防的なケアを行うことで、後々の高額な歯科治療費を抑えることができます。初期の虫歯治療や予防処置は、進行した虫歯や歯周病の治療よりも費用が少なくて済みます。
生活の質の向上
健康な歯と歯茎を保つことで、食事を美味しく食べることができ、コミュニケーションも円滑になります。口腔内の健康は、日常生活の質を大いに左右します。
予防歯科の具体的な取り組み
1. 定期検診
3~6か月ごとの定期検診で、口腔内のチェックとクリーニングを行い、虫歯や歯周病の早期発見・早期治療を行います。
2. クリーニング
歯科衛生士による専門的なクリーニングで、歯垢や歯石を除去します。これにより、虫歯や歯周病のリスクを低減します。
3. フッ素塗布
フッ素は歯の再石灰化を促進し、虫歯の予防に効果的です。定期的なフッ素塗布が推奨されます。
4. シーラント
歯の溝を樹脂で埋めるシーラントは、虫歯の発生を防ぐ効果があります。特に子供の奥歯に効果的です。
5. 正しい歯磨きとデンタルフロスの使い方の指導
歯科医や歯科衛生士が、正しい歯磨きの方法やフロスの使い方を指導します。毎日のセルフケアが、歯を虫歯や歯周病から守るための基本となります。
予防歯科のメリット
短期的なメリット
- 痛みや不快感のない健康な口腔環境を維持できます。
- 定期的なケアにより、口腔内の清潔を保つことができます。
長期的なメリット
- 生涯にわたる歯の健康を維持し、入れ歯やインプラントの必要性を減少させます。
- 歯科疾患の進行を防ぐことで、全身の健康にも寄与します。
自分の歯を保つことの重要性
なぜ、自分の歯を清潔に健康に保つ必要があるのでしょうか。歯医者さんを嫌いな人が虫歯になったケースで考えてみましょう。
- 歯磨きが上手くできず、食べかすや歯垢(プラーク)が溜まり、虫歯に感染する
- むしば菌の排出する酸でエナメル質が溶け、細菌がどんどん内部の象牙質へと進行する
- 痛みや変色が出ても、歯医者さんへの通院が嫌で放置する
- 神経(歯髄)から歯根まで進行すると、歯肉の腫れや口腔内に露出する歯冠(エナメル質)の崩壊が起きる
- 歯根の先に膿の袋があり、根管治療が必要だが、痛みを感じる神経が死んでいるため痛みがなく必要性がわからない
- 他の歯にも影響を及ぼすため抜歯を行い、義歯治療をしなければならなくなる
義歯治療とは、欠損した歯の部分に人工歯を入れることです。入れ歯・インプラント・ブリッジなどの種類があります。幾度も通院をしなければならず、保険適用が可能で安く入れられますが、天然歯と比べて噛む力が弱いのが入れ歯やブリッジです。インプラントは天然歯に劣らず噛む力はありますが、保険適用外で自費治療になり料金は高いです。
80歳になっても自分の歯を20本残し、何でも噛めるようにしようというもので、厚生労働省と日本歯科医師会が提唱しています。噛むことで脳への刺激が伝達し、歯の残存本数が多い方程、認知症リスクが減少しているとも言われています。
予防歯科の重要性に関するQ&A
予防歯科は定期検診や清掃を通じて口腔の健康を維持するために行われる対策です。虫歯や歯周病のチェックや歯磨き指導、歯石や歯垢の除去などが含まれます。
8020運動は80歳でも自分の歯を20本残すことを目指す運動で、噛むことで認知症リスクの低下も期待されています。
エアフローは歯の着色汚れや歯垢の除去に使われ、PMTCは専門的な研磨で歯の汚れを取り除きます。フッ素塗布は高濃度のフッ素ジェルで歯を強化し、初期むし歯を予防します。
まとめ
予防歯科に通院していると細菌感染は早い段階で見つけることができます。初期むし歯のエナメル質の白濁の段階で見つけると、フッ素の塗布や経過観察となります。歯にとってのダメージを最小限に抑えられれば、何も気にせずしっかりと噛み合わせる食生活が送れます。医院でこまめにチェックをしてもらうことが大切です。