歯と口のトラブル

横向きの親知らずは抜かないとどうなるの?

横向きの親知らずは抜かないとどうなるの?

横向きに生えた親知らずは、他の歯に悪影響を及ぼし、様々な症状を引き起こすリスクがあります。しかし、痛みや不快感が一時的である場合や、親知らずが完全に埋まっている場合などは、抜歯をためらう方もおられます。横向きの親知らずのリスクや症状、治療法、そして抜かない場合の長期的な影響についてご説明します。

親知らずとは?

親知らず(智歯、第三大臼歯)は、一般的に10代後半から20代前半にかけて最後に生えてくる歯です。人間の顎が進化し小さくなったため、親知らずが正しく生えるためのスペースが足りないことが多く、様々な問題を引き起こすことがあります。

親知らずの特徴

  • 最後に生える永久歯
  • 上下左右にそれぞれ1本ずつ、計4本ある
  • 正常に生えないことが多い
  • まったく生えない人もいる
  • 正常な生え方でない場合は抜歯になるケースが多い

横向きに生えた親知らずのリスク

横向きに生えた親知らずは、他の歯に影響を及ぼすことが多く、早い時期に対処しておかないと様々な問題を引き起こすことがあります。

横向きの親知らずが原因となるリスク

  • 隣接する歯への圧迫
  • 歯並びの乱れ
  • 歯肉炎や歯周病のリスク増加
  • 食べ物の詰まりや虫歯のリスク

横向きの親知らずが引き起こす症状

横向きに生えた親知らずが原因となる具体的な症状は以下のようなものです。

主な症状

1. 痛み

横向きの親知らずが生えて来る時に隣接する歯に圧力をかけることで、強い痛みを感じることがあります。この痛みは、親知らずが歯茎や骨に埋まっている場合や、他の歯に押されて正しい位置に生えることができない場合に発生します。

  • 原因・・歯茎や骨に対する圧力、周囲の歯との接触による摩擦
  • 症状・・鈍い痛み、強い圧迫感、咀嚼時の痛みの増加

2. 炎症

親知らずの周囲の歯肉が炎症を起こし、赤く腫れることがあります。これは、親知らずが部分的にしか生えておらず、食べ物カスがたまりやすいために細菌が増え、周囲の組織が感染しやすい状態にあるためです。

  • 原因・・食べ物のカスや細菌によって炎症が起こる。親知らず周囲の清掃が難しいことによって不衛生になる
  • 症状・・歯肉の腫れ、赤み、痛み、出血

3. 膿

感染が進行すると、膿がたまることがあります。これは、親知らずの周囲の組織が細菌に感染し、化膿することによって起こります。膿がたまると、強い痛みや不快感を感じるだけでなく、口臭や味覚の変化も引き起こします。

  • 原因・・細菌感染、歯肉ポケットの形成
  • 症状・・膿の排出、強い痛み、口臭、味覚の変化

4. 口臭

親知らずの周囲の歯磨きが難しいため、食べ物のカスが溜まりやすく、細菌が繁殖しやすくなります。これにより、口臭が発生します。特に、親知らずが部分的にしか生えておらず一部分が歯茎に埋まっている場合は、食べ物が詰まりやすくなります。

  • 原因・・食べ物のカスの蓄積、細菌の繁殖
  • 症状・・口臭の悪化、口内の不快感

5. 咀嚼が困難になる

痛みや炎症が原因で、食事をするのが難しくなることがあります。特に硬い食べ物を食べる際に、痛みや不快感が増すことがあります。

  • 原因・・歯肉や骨の炎症、親知らずが他の歯に圧力をかけること
  • 症状・・咀嚼時の痛み、食事の際の不快感、食事の制限

6. 歯並びの乱れ

横向きに生えた親知らずが隣接する歯に圧力をかけ続けることで、歯列全体が乱れることがあります。これは、特に親知らずが完全に生えていない場合や、歯列にスペースが不足している場合に起こります。

  • 原因・・親知らずの圧力による歯の移動
  • 症状・・歯並びの乱れ、咬合の不整、歯列矯正が必要になる場合もある

治療法と抜歯の必要性

横向きの親知らずの治療は、その状態や症状によって異なります。抜歯が必要なケースも多く、その理由について詳しく解説します。

治療法

  • 経過観察・・症状が軽い場合、定期的な検診で経過を観察します。
  • 抗生物質の投与・・感染がある場合は抗生物質が使用されます。
  • 抜歯・・症状が重い場合や、将来的に問題が予想される場合は抜歯が推奨されます。

抜歯が必要な理由

  • 他の歯や歯列に悪影響を及ぼす
  • 感染のリスクが高い
  • 痛みや炎症を繰り返す可能性がある

抜かない場合の長期的な影響

親知らずを抜かない場合、長期的にどのような影響があるのかについて解説します。

長期的な影響

  • 持続的な痛み・・定期的な痛みや不快感が続く可能性があります。
  • 歯列の変形・・他の歯が移動し、歯列が乱れることがあります。
  • 深刻な感染症・・感染が進行し、顎骨や他の歯に影響を及ぼすことがあります。
  • 歯周病の進行・・歯肉や歯周組織に炎症が広がり、歯周病が進行するリスクがあります。

予防と定期検診の重要性

横向きの親知らずによる問題を予防するためには、早期発見と定期健診が非常に重要です。

予防策

  • 定期的な歯科健診・・親知らずの状態を早期に把握し、適切な対策を取ることができます。
  • 適切な口腔ケア・・歯磨きやデンタルフロスを使用して、口腔内を清潔に保つことが重要です。
  • 早期の対処・・違和感や痛みを感じたらすぐに歯科医師に相談することが推奨されます。

親知らずが横向きに歯茎の中に完全に埋まっている場合

親知らずが横向きになって歯茎の中に完全に埋まったままになっている場合は、今後他の歯に悪影響を及ぼす可能性がある場合は、抜歯をお勧めします。

ただし、完全に歯茎の中に埋まっている埋伏歯の抜歯は難しいため、病院の口腔外科をご紹介する場合が多いです。歯科医院では病院への紹介状と必要な資料を患者さんにお渡しします。

紹介患者さんへの受付方法は病院によって異なり、外来患者さんの受付の曜日や時間が決まっている場合がありますので、ホームページなどで予め調べてから病院に行かれることをお勧めします。

まとめ

横向きに生えた親知らずは、放置すると痛みや炎症、口臭、歯並びの乱れなど、さまざまな症状を引き起こすリスクがあるため、早期の対処が重要です。

親知らずが他の歯に悪影響を及ぼす場合や、感染のリスクが高い場合は、抜歯が強く推奨されます。親知らずによるトラブルを未然に防ぐために、定期的な歯科健診を受けて、毎日の歯磨きを正しい方法で行いましょう。

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