子供の歯が抜けたが血が止まらないケースが稀にあります。今日は、子供の歯が抜けたシチュエーションや出血を止める対処法までご案内します。
子供の歯の成長と永久歯との違い
子どもの歯がどう抜けたかという点が大事ですが、先に子供の歯の成長の流れや、永久歯との違いを先にご説明します。
子供の歯の成長過程
赤ちゃんは歯がない状態で生まれてきます。生後半年ほど時間が経過すると、下あごの部分から子供の歯である乳歯が一本生えてきます。子供の歯は5歳後半から抜け始めて、12歳を迎えるころにはすべて大人の歯である永久歯に生え変わります。
乳歯と永久歯の違い
乳歯は永久歯と比べると以下のような点が異なります。
- 歯質が永久歯に比べて柔らかい
- エナメル質が永久歯の半分以下
- 歯の根(歯根)が永久歯に比べ浅い
そのため、乳歯が虫歯菌に感染すると、むし歯の進行具合が永久歯より早くなります。歯科医院へ診察に行くのが遅れてしまうと、詰め物などでは改善できないため、やむを得ず抜歯という可能性もあります。
子供の歯がどう抜けたかがポイント
子どもの歯がどう抜けたかで出血などのトラブルになるかが変わってきます。
- ぐらつきのある歯が自然に抜けた場合
- ご家庭でグラグラしている歯を抜いた場合
- クリニックで歯を抜いてもらった場合
通常、出血などのリスクが少ないのは、自然に抜けるのを待つ状態が一番良い抜け方です。ただし、お子さんが気になるからと前歯を触ってしまう癖があり、それを注意するのに疲れるという保護者様の気持ちも理解できます。
もし、定期検診やフッ素塗布で歯科医院へお子さんを通院させているならば、「ぐらぐらの歯を触ってしまうのですが、このまま自然に抜けるのを待つべきですか」と歯科医師へ相談するのも一つの方法です。
ご家庭で無理やり歯を抜くのは絶対にやめましょう。見た目として歯は抜けたけど歯根が残ったままという状態になったり、痛みが伴うリスクが上がります。永久歯が生えてきにくく、歯並びなどの不正咬合を引き起こすリスクを高めます。
血が止まらない時の対処法
お子さんの虫歯などでどうしても乳歯を抜歯をせざるを得なかったという方もおられます。その時、気になるのが出血です。
お子さんは口腔内で血の味がするのが嫌で、うがいをしたいというかもしれません。ただ、しっかり血が止まりきるまで、すなわちお口の状態が治まるまでは、うがいは避けた方が無難です。うがいによる刺激で、せっかく治まりかけていた出血が、ずっと続くことになるからです。
- 診察時間内→抜歯をした歯医者さんへ電話して様子を伝え必要な処置を相談
- 診察時間外→抜歯した位置に清潔な滅菌ガーゼを丸めて30分程度強く噛ませる
止血を行うことは大切だとお子さんに伝え、お子さんと一緒に楽しい映像を見たり、手遊びをしたり気を紛らわせることをおすすめします。また、抜歯を行った日は、下記の二点は避けましょう。
- 長い時間入浴をする
- 激しい運動をする
血行を良くする行動をすれば、また血が出やすい状態になります。また、歯磨きも歯ブラシを必要以上にせず、口をゆすぐのも少し控えめにしておきましょう。
子供の歯の保管方法
抜けた子供の歯については、どう保管するのがベストなのでしょうか。昔は上あごの歯を床下へ、下あごの歯を屋根へと投げて、大きな歯が生えるようにおまじないをする家が日本に多くありました。住環境が変わり、マンションに住む方も増えた現在、このようなことはなかなか難しいです。ちなみに海外では、抜けた乳歯を枕の下に置いておくと、トゥースフェアリーやねずみがコインと交換してくれる言い伝えがあるそうです。
成長の証である乳歯は大事に保存されるご家庭が多いです。乳歯ケースには様々な種類がありますが、木製の乳歯ケースに保管されると、高温多湿の気候でも、除湿した状態できれいに保管ができるようです。お手軽にとお考えの方は、歯の形をした乳歯ケースもあります。
いずれの保管方法でも、水で洗浄して綺麗な状態で保管しましょう。医学の進歩により、抜けた歯による再生医療も研究されているので、将来何か乳歯が役に立つ可能性があるかもしれません。
子供の歯が抜けたら血が止まらないに関するQ&A
抜けた後に血が止まらない場合は、診察時間内であれば抜歯した歯医者さんに相談し、必要な処置を相談しましょう。診察時間外であれば、抜歯した位置に清潔な滅菌ガーゼを丸めて30分程度強く噛ませる方法があります。
通常、子供の歯が自然に抜けるのを待つのがリスクが少ない方法です。自然に抜ける場合は出血などのリスクが少ないです。一方、家庭で無理に抜くと歯根が残ったり痛みが伴うリスクが高まり、永久歯の成長や歯並びのリスクも増えます。
抜けた子供の歯は乳歯ケースに保管するのが一般的です。木製の乳歯ケースは高温多湿の気候でも除湿された状態で保管できるためおすすめです。また、洗浄して清潔な状態で保管しましょう。
まとめ
子どもの歯が抜けて血が止まらない場合、保護者様ともども不安だと思います。ただ、特にお子さんは不安で、保護者の顔をじっと見ています。止血を行う処置だけではなく、「もう少しで止まると思うよ」とお子さんを安心させる表情をしましょう。それにより、お子さんも「大丈夫なんだ」と気持ちが緩むと思います。