虫歯

虫歯になりやすい人となりにくい人がいるのはどうして?

虫歯になりやすい人となりにくい人がいるのはどうして?

クローバー歯科クリニック豊中本町院 歯科医師 金子 浩康

虫歯になりやすい方となりにくい方がおられるのは事実です。虫歯になりやすい方は毎日しっかりと歯をみがいてきれいにしていても虫歯になってしまうとおっしゃいます。そして虫歯になりにくい方は、歯みがきをさぼっていて毎日はみがいていないけれど虫歯にならないとおっしゃいます。このような違いはどうしてうまれるのでしょうか。それは、虫歯になる原因が一つではないからです。

虫歯になるメカニズム

虫歯の進行

虫歯にはお口の中の細菌が大きく関わっています。虫歯を作り出す原因となる細菌はいくつかありますが代表的なものはミュータンス菌です。

  1. お口の中のミュータンス菌が糖質(ショ糖)を取り込み、歯垢を作ります。
  2. ミュータンス菌は歯垢の中でどんどん増殖し、糖質(ショ糖)から酸を作り出します。
  3. ミュータンス菌の出す酸によって歯の表面を覆っているエナメル質からカルシウムやリンが溶け出して脱灰が起こります。
  4. エナメル質に穴があき、そのまま虫歯が進行すると穴はどんどん広がっていきます。

虫歯になる様々な要因

虫歯になる原因のうち一番大きく関わっているのが、糖質(ショ糖)、原因菌(ミュータンス菌)、歯質(エナメル質・象牙質)です。

虫歯が出来るのは歯の質と歯の中の細菌(ミュータンス菌)の他に、食べ物や生活習慣といった要素も関係します。一人ひとりのライフスタイルや食生活や生活習慣といった環境が複雑に作用して虫歯になります。

歯の質

歯の強さ、唾液の成分や量など。歯の質が弱い方は虫歯菌の出す酸に歯が溶かされやすいので虫歯になりやすいです。歯の質を強くするためにはフッ素の塗布が効果的です。また、唾液の量が少ないと虫歯菌の出した酸を中和したり再石灰化することが間に合わないため虫歯になるリスクが高まります。

細菌

虫歯をつくる細菌のことを虫歯菌といいますが、一番良く知られている虫歯菌はミュータンス菌です。ミュータンス菌は歯と歯ぐきの間にたまった歯垢の中で繁殖し、歯を溶かしてしまう酸を作りだします。虫歯菌は生まれたての赤ちゃんの口の中には存在せず、赤ちゃんの成長途中で親から感染することが多いです。

食べ物

食べ物については砂糖を含んだ食べ物や飲み物が虫歯に関係しています。虫歯菌は砂糖(ショ糖)を餌にして酸を作るため、甘い食べ物や飲み物を間食としてしょっちゅう口に入れることで虫歯になりやすくなります。

虫歯になりにくい歯にするためには

虫歯になりにくくするには食生活にヒントがあります。以下のことを守るようにしましょう。

1. 砂糖の入った飲食物を控える

砂糖がたくさん使われている飲食物を控えることで虫歯菌は酸を作り出しにくくなりますので、虫歯リスクは低減します。

2. 歯磨きを丁寧に行う

歯磨きは、歯に歯垢を付着させないことと、お口の中の細菌を減らすことが目的です。歯と歯の間や歯茎に近い部分は、歯ブラシだけでは歯垢を落とせませんので、デンタルフロスや歯間ブラシも使うようにしましょう。

3. だらだら食べ続けない

頻繁に甘いものを飲み食いすることで、食べ物がお口の中に入っている時間が長くなり、お口の中は酸性に傾いた状態が続きます。そうなると虫歯になりやすくなってしまいます。食事や間食は時間を決めてとるようにしましょう。

4. 歯質を強化する

歯科医院で定期的にフッ素塗布などを行うと歯の質が強化されて虫歯になりにくい歯になります。日常のセルフケアでフッ素入りの歯磨き剤や洗口剤を使うこともおすすめです。

5. 唾液をしっかり出す

唾液の働きの中には、細菌を洗い流したり歯の再石灰化でエナメル質の修復dを促すなどの作用があります。食べ物をよく噛むことで唾液が分泌されます。耳の下を軽くマッサージすると耳下腺が刺激されて唾液が分泌されます。

6.歯科医院の定期健診を必ず受ける

虫歯になりやすい方は、歯医者の定期健診で虫歯や歯周病のチェックを受けましょう。定期健診では毎日の歯磨きで磨き残しのある部分を染め出し液でチェックしたり、歯茎の腫れや動揺の有無、歯周ポケットの深さを測る歯周病検査など、予 防歯科の観点から治療を行います。

定期健診は3~4ヶ月に1回のタイミングで受けていただけると、歯垢が歯石に変わる前に除去することが出来ます。

当院では歯科衛生士は担当制で、患者さんお一人おひとりの歯や歯茎の状態を長期にわたって診ながらメンテナンスを行います。ご自宅で使用する歯のケアグッズやそれらの使い方など、何でも気軽におききください。

虫歯になりやすい人となりにくい人に関するQ&A

なぜ同じように歯磨きをしていても、虫歯になりやすい人となりにくい人がいるの?

虫歯になる原因が多岐にわたるためです。食生活や唾液の量、歯の質、口内の細菌など、様々な要素が影響して虫歯が発生します。

なぜ歯の質が弱いと虫歯になりやすいのですか?

歯の質が弱いと、虫歯菌の出す酸によって歯が溶かされやすくなります。フッ素の塗布などで歯の質を強くすると、虫歯になりにくくなります。

なぜ唾液が虫歯の予防に有効なのですか?

唾液には虫歯菌を洗い流す作用や、酸によって溶かされた歯のエナメル質を再石灰化し修復する作用があります。これらにより、虫歯の進行を防ぎます。

まとめ

歯のキャラクター

虫歯になりやすい人となりにくい人は何が違うのか。大切なことは、虫歯になる要因から考えて、虫歯になりにくい生活を送ることです。虫歯になる原因を良く理解し、虫歯予防のポイントをおさえて虫歯になりにくい強い歯を作りましょう。

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