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あいうべ体操はどうして口呼吸の改善に効果あるの?

あいうべ体操はどうして口呼吸の改善に効果あるの?

クローバー歯科クリニック豊中本町院 歯科医師 金子 浩康

あいうべ体操とは、口呼吸のお子さんを鼻呼吸に改善させるためのお口の体操で、毎日数分間何度でも行うことで、口呼吸が改善して鼻呼吸が出来るようになります。

あいうべ体操はこういう方におすすめです

・口がいつも開いている
・疲れやすい、だるい、やる気が起きない
・アレルギー性疾患(花粉症、喘息、アトピー性皮膚炎など)がある
・手軽な健康法が知りたい

1日の呼吸回数は2万回もあるといわれます。
鼻呼吸なのか、口呼吸なのかで驚くほど身体が健康に変わっていきます。

口呼吸のデメリット

お口や歯に対する影響から口呼吸について考えてみると、以下のようなデメリットもあります。

①風邪やアレルギーを起こしやすい
②口臭や歯の着色の原因になる
③虫歯や歯周病になりやすくなる
④歯並びが悪くなる

あいうべ体操のやり方

あいうべ体操

あいうべ体操のやり方は、4つの動作を順にくり返します。声は出しても出さなくてもかまいません。

  1. 「あー」と口を大きく開く
  2. 「いー」と口を大きく横に広げる
  3. 「うー」と口を強く前に突き出す
  4. 「ベー」と舌を突き出して下に伸ばす

1~4を1セットとして、1日30セットを目安に毎日続けます。大きく口を動かし、ゆっくりと行うのがポイントです。

あいうべ体操の効果とは?

あいうべ体操によって様々な疾患が改善すると考えられます。

  • アレルギー性疾患(アトピー、喘息、花粉症、鼻炎)
  • 膠原病(関節リウマチ、エリテマトーデス、筋炎、シェーグレン)
  • うつ病、うつ状態、パニック障害、全身倦怠
  • 腸疾患(胃炎、大腸炎、便秘、痔)
  • 歯科口腔(歯周病、ドライマウス、顎関節症、虫歯)
  • その他(イビキ、尋常性乾癬、高血圧、腎臓病、風邪など)

あいうべ体操はどうやって生まれたの?

あいうべ体操を毎日行うことで、舌の筋肉(舌筋:ぜっきん)をはじめ口元の筋肉が鍛えられます。

あいうべ体操は福岡市みらいクリニックの内科医である今井一彰先生が考案した方法です。今井院長は「リウマチの患者さんは口臭が強く、リウマチの炎症がひどくなるほど口臭も強くなる」ということを発見し、口呼吸が健康被害を引き起こしていることに注目しました。

口呼吸をすると口腔内に雑菌が繁殖しやすくなるり、その結果口臭も強くなります。同時に免疫が下がる為、リウマチの炎症が悪化すると考えられます。口呼吸から鼻呼吸に改善するとお口の中の健康にも大きな効果が得られることから、最近では多くの歯科医院で推奨されています。

1日30セットを毎日継続して行う

あいうべ体操を行う時は、声は出しても出さなくてもどちらでもかまいません。

1日に30セットを目安に毎日行い、徐々に回数を増やすようにします。はじめは疲れたり、筋肉痛が出たりしますので、無理のないように行いましょう。

口を開けるとあごが痛む顎関節症の症状の出ている方は、「い~」「う~」のみを繰り返してもよいです。

湿度が高いお風呂で行うと、口が乾燥しませんのでやりやすいです。慣れてくると何回でも簡単に出来ますが、あまり多くやると顎関節に負担がかかりますので、一日100回までにしてください。

口呼吸は身体に悪影響を与えます。その他に「ため息」「口から息を出す腹式呼吸」「お口ポカン姿勢」も癖になると口呼吸と同じ柄く影響があります。

「あ」アトピー性皮膚炎などのアレルギーの病気

あいうべ体操はどんな病気に効果があるのか。まずはあいうべの「あ」からいきましょう。
「あ」トピー性皮膚炎などの、「あ」レルギーの病気です。

アレルギーは、その原因がよく分かっていません。一説には清潔になりすぎた現代生活が問題では無いかと言われます。

昔から言われていた「風呂桶仮説」(体が許容できるアレルギー物質量を超えると発症する)は今ではあまり言われなくなってきました。

口呼吸は、慢性扁桃炎を引き起こし口、鼻の周りのリンパ組織が免疫異常を引き起こしてしまいます。それがアレルギー発症に関与しているのではと考えています。

「い」インフルエンザなどの呼吸器の病気

次はあいうべの「い」。「い」ンフルエンザなど呼吸器の病気です。カゼや気管支喘息なども含まれます。

あいうべ体操を取り入れて子ども達野欠席日数が減った小学校、入所者の熱発率が減った高齢者施設などの報告があります。

口呼吸は、乾いて冷たい、そしてきちんと異物が濾過されていない空気を体の中に入れ込んでしまいます。これがインフルエンザや風邪の発症に大きく関係しています。

気管支喘息でも、気道の過敏性が高まり冷たい空気を吸うことにより気管支が収縮し喘息発作の引き金となることも分かっています。やはり体にとって優しい空気の取り込み口である、鼻を活用することが呼吸器にとっては正しい呼吸なのですね。

「う」うつ病などの心の病気

あいうべの「う」は、「う」つ病など心の病気です。その他にはパニック障害や倦怠感、慢性疲労症候群なども含まれます。

呼吸が自律神経に与える影響は小さくありません。
浅く速い呼吸は交感神経を緊張させますし、深くゆっくりとした呼吸は副交感神経の刺激となります。

口呼吸は浅く速い呼吸になり、鼻呼吸は深くゆっくりとした呼吸になることが分かっています。鼻呼吸は精神安定につながります。

カゼなどで鼻づまりがひどかった経験を思い出してください。集中力が途切れがちになり、身体のだるさかあきらかです。

心と体はつながっています。呼吸と心もつながっています。鼻呼吸で、ユッタリとした呼吸を意識したいですね。

「べ」便秘などのお腹の病気

最後は、あいうべの「べ」、「べ」んぴなどお腹の病気です。その他には過敏性腸症候群(IBS)、潰瘍性大腸炎、クローン病といった炎症性腸疾患(IBD)です。

便秘が気になる方は、「い~う~」体操だけを5分間続けてみてください。それだけで翌日「スッキリ」となる場合も。

お通じが良くなれば、痔もよくなることがあります。私は講演会や外来で「痔が良くなりました」と喜ばれた経験を何度もしています。

あいうべ体操が口呼吸の改善に効果がある理由に関するQ&A

あいうべ体操が口呼吸の改善に効果がある理由は何ですか?

あいうべ体操は口の筋肉を鍛えることで、口呼吸から鼻呼吸への切り替えを促す効果があります。口呼吸は風邪やアレルギーを引き起こしやすく、口臭や歯の問題を引き起こすデメリットもあります。あいうべ体操によって口の筋肉が鍛えられることで、口呼吸を改善し、健康な鼻呼吸へと導くことができます。

あいうべ体操はどのような人におすすめですか?

あいうべ体操は以下のような方におすすめです。
・口がいつも開いていて口呼吸の方
・疲れやすい、だるい、やる気が起きない方
・アレルギー性疾患(花粉症、喘息、アトピー性皮膚炎など)がある方
・手軽な健康法を知りたい方

あいうべ体操はどうやればいいの?

あいうべ体操は以下の4つの動作を順にくり返します。
1.「あー」と口を大きく開く
2.「いー」と口を大きく横に広げる
3.「うー」と口を強く前に突き出す
4.「ベー」と舌を突き出して下に伸ばす
1日30セットを目安に毎日行い、大きく口を動かし、ゆっくりと行うことがポイントです。

まとめ

歯のキャラクター

あいうべ体操をすることで、虫歯、歯周病、歯列不正、ドライマウスなどだけでなく、睡眠時無呼吸症候群やいびき、アトピーから喘息、リウマチ、うつ病などの様々な病気の改善が期待できます。

口呼吸は身体の免疫力を低下させ、万病のもとになりますので、鼻で呼吸するように気をつけて過ごしましょう。

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