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子供のお口ポカンはどんな治し方がある?

子供のお口ポカンはどんな治し方がある?

クローバー歯科クリニック豊中本町院 歯科医師 金子 浩康

子供のお口ポカンについて治し方が気になるという保護者様が多いのではないでしょうか。今日は、子供のお口ポカンについてご説明します。

子供のお口ポカンとは

子供がテレビや動画を見ている時に、いつもお口がポカンと開いていることありませんか。一般的にお口ポカンやポカン口と呼ぶことが多いですが、専門的には、口唇閉鎖不全症という症状です。最近はお口ポカンのお子様が増えており、お口ポカンを治そうというポスターが貼られている学校もあります。

お口がポカンと開いている子供は、呼吸が鼻呼吸ではなく口呼吸になっています。口呼吸は口腔内のトラブルを招きやすいため、しっかりとお口を閉じられるようにしておく方が子供の将来のためにも良いと言われています。

子供のお口ポカンにはどんな影響が?

では、お口ポカンの子供の場合、具体的にどのような影響を及ぼすでしょうか。例を挙げてご紹介します。

  • 虫歯・歯周病
  • 口臭
  • ウイルス感染
  • 歯並び
  • 顔のゆがみ

お口ポカンの方はお口を閉じる方に比べて、このような症状を引き起こすことになり、口腔内のリスクを高める可能性があります。

むし歯・歯周病

子供の歯である乳歯は、エナメル質が柔らかいため、虫歯になれば進行が早いです。白い歯が少しだけ透明感を失っている初期むし歯であれば、唾液の自浄作用が働き、歯は再び再石灰化しますが、お口ポカンのお子様は口が常に開いているため、歯を唾液で元に戻す前に空気で乾燥してしまいます。

お口の中が潤っていない状態では、時間が経つにつれ、唾液の分泌量も減ってしまいます。そのため虫歯は進行して黒く色が変わり、歯に穴が開くなど痛みが生じます。そのような状態では、子供が痛いまま歯科医院へ通院しなければなりません。

口臭

唾液の減少でお口が乾燥すると、食べ物を食べ終えた後、細菌の働きが活発化してしまいます。マスクをする日常生活になった今、口臭が気になるという方が増えています。

ウイルス感染

鼻呼吸の場合、鼻が空気清浄機のフィルター部分の役割をします。鼻というフィルターでウイルスを防いで空気を体内へ入れますが、お口がポカンと開いている口呼吸の人は、フィルターの予防ができずにウィルスをそのまま吸い込んでしまいます。風邪をひきやすくなるという研究結果もあります。

顔のゆがみ

お口ポカンは舌癖という舌のくせが影響しているケースが多いです。舌癖を治さないまま成長すると、噛み合わせが悪く食べにくくなり、あごの発達が低下したり、頬のあたりの骨や筋肉に影響します。成長期ならではの影響とも言えますので、永久歯が生えるまでにお口ポカンや舌癖などをやめるように改善しましょう。

お口ポカンの治し方

お口ポカンを治す対策としてトレーニング(MFT・口腔筋機能療法)が必要と言えます。トレーニングの方法を2種類ご紹介します。

あいうべ体操

まず、一番簡単に行いやすいのは、あいうべ体操です。

  1. あーと大きく口を開けます
  2. いーと口を横に広げます
  3. うーと口をタコのようにすぼめます
  4. べーとあっかんべーのように舌を下へ出します

この4セットを1日30回くらい行うと、舌癖やお口ポカンを解消できます。30回と聞くとなかなか多いように感じますが、食事の後に10セットずつ行うと考えれば、やりやすいかもしれません。あいうべ体操は、お口周りの筋肉を使用するので、お口周りの筋肉が低下したお子様にとっては慣れるまで大変かもしれませんが、慣れるまでは、大人も一緒にトレーニングを行うと続けやすいです。

舌を動かす体操

もう一つは、舌を回す運動です。お口を閉じたまま舌で歯茎の表面をなぞります

  1. 上→右→下→左とゆっくり回します
  2. 次は反対方向の上→左→下→右にゆっくり回します

1日20回ずつ行うだけでもお口周りや表情筋が鍛えられると思います。あとは、舌で前歯を押すと出っ歯(上顎前突)という歯並びの乱れの原因になり、矯正が必要となります。舌は上あごの前歯の付け根付近に置くように心がけましょう。そこがスポットポジションと呼ばれる、舌を置く正しい位置です。

子供のお口ポカンの治し方に関するQ&A

お口ポカンの子供にどんな影響があるのですか?

お口ポカンは虫歯・歯周病、口臭、ウイルス感染、歯並びの問題、顔のゆがみなどを引き起こす可能性があります。

あいうべ体操とは何ですか?

あいうべ体操は、お口周りの筋肉を鍛えるための簡単な体操で、”あー” “いー” “うー” “べー”と発声しながら口を大きく開けたり、口を横に広げたり、口をすぼめたり、舌を下へ出したりします。

舌を動かす体操とは何ですか?

舌を動かす体操は、お口を閉じたまま舌で歯茎の表面をなぞる運動です。上→右→下→左、そして反対方向にも行います。

まとめ

お口ポカン

子供の日常的な悪い習慣(指しゃぶり・歯ぎしり・頬づえなどのくせ)は、あごのバランスや歯並びに悪影響を及ぼします。あごや心身を問題なく自然に成長させるためにも、小児の矯正歯科がある医院を受診し、無料カウンセリングで歯科医師やスタッフに相談しましょう。歯医者さんで状態を確認してもらえば、今すぐに治療が必要か、料金やメリット・デメリット、治療計画などを詳しくご説明してもらえます。

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