ホワイトニングをできない人がいるというのをご存知でしょうか。今日は、ホワイトニングができない人やホワイトニングの種類についてご紹介します。
ホワイトニングができない人
ホワイトニングができない人についてご説明します。
18歳未満の子供
- ホワイトニングの薬剤が、体内で子どもの成長を阻害する可能性がある
重度の歯周病・虫歯にかかっている方
- 歯周炎で歯茎下がりが起こる・歯の表面のエナメル質が細菌感染により溶けているため、神経(歯髄)に刺激が伝達しやすく、知覚過敏が起きやすい
知覚過敏の方
- 冷たい物や熱い物など温度差があるものをお口の中に入れた時、露出した歯の根(歯根)から神経に伝わりやすく、キーンとした痛みが生じる
歯のエナメル質がひび割れている方
- むし歯の方と同様に固いエナメル質が割れているため、知覚過敏が起きる
人工歯がある方
- 詰め物・被せ物・インプラント・入れ歯は人工物(セラミック・銀・金)で作製しているため白くならない
妊娠中・授乳中である方
- ホワイトニングの薬剤が胎児や子供にどのような影響を及ぼすかわからないため、授乳が終了してからのホワイトニングをおすすめする歯医者さんが多い
無カタラーゼ症の方
- 先天的にカタラーゼという酵素が欠損している疾患のため、ホワイトニングの主成分(過酸化水素)を分解できない
- 口腔内がひどく荒れたり、重度の場合は壊死を起こす可能性がある
テトラサイクリンによる変色した歯がある方
- テトラサイクリン系の抗生物質は昔の小児の風邪シロップに含有されていた
- 幼少期に多く摂取すると、歯の象牙質に沈着して変色し、軽度ならば施術が可能だが重度の場合はホワイトニングでは難しい
ホワイトニングの種類
歯のホワイトニングにはおよそ3種類あり、順番にご案内します。
1.ホームホワイトニング
- 歯科医院で患者様の歯並びに合ったトレー(マウスピース)を作製し、スタッフに指導を受け患者様ご自身で行うホワイトニング
- 適量の薬剤(10%の過酸化尿素)を入れたトレーを歯並びに装着し、浸透させ漂白する方法
- オフィスホワイトニングと比べてすぐに白くはならないが、長い時間白さを保つことがメリット
2.オフィスホワイトニング(当院では行っておりません)
- 歯科医院で国家資格を持った歯科衛生士に行ってもらうホワイトニング
- 歯茎を保護する歯肉保護剤を塗った後、歯の表面に薬剤(35%の過酸化水素)を塗り、特殊な光を照射し漂白する方法
- ホームホワイトニングよりも早く白くすることがメリットだが、白い歯を長く保つのは難しい
2.セルフホワイトニング(当院では行っておりません)
- エステサロンや美容院などで資格を持たないスタッフのもと、自分で行うホワイトニング
- 重曹・ポリリン酸・メタリン酸などで白くし、LEDを照射する方法
- 他の二つのホワイトニングと比較して、安い費用で行うことが可能だが、医療行為はできないため、歯肉の炎症やトラブルが起きた際にすぐ安全に対処することができない
ホームホワイトニングやオフィスホワイトニングはいずれも歯の内部から白く浸透させるのに比べて、セルフホワイトニングは歯の表面を白くしようとする特徴があります。歯の状態が悪くなり健康が脅かされるために行う虫歯や歯周病治療と異なり、ホワイトニングは、見た目の美しさという審美性を目的としています。そのため、自由診療で料金は100%自己負担となります。
ホワイトニング以外に白くする方法
ホワイトニング以外に白く美しい歯にする治療法をご案内します。
- ラミネートべニア
- セラミック治療
1.ラミネートべニア
ラミネートべニアは、ネイルチップ(付け爪)と同じようなものです。少し削った前歯に薄いセラミックの板を貼りつけ、審美性の良い歯にする治療法です。効果的に白くされたい方におすすめですが、経年劣化により接着剤の劣化が原因となり、剥がれるデメリットがあります。その際には、再度作製が必要となります。
2.セラミック治療
セラミック治療は、歯を削って被せ物を行う治療法です。1本の歯の大きさや角度、色でお悩みの方は、オールセラミック・ジルコニアセラミックなどでより見た目の美しい歯に改善します。健康な歯を削ってしまうため、歯の負担や大事な歯を削るということがデメリットです。
海外で販売されているホワイトニング剤を使用し、セルフホワイトニングを行うことはリスクが高いです。アメリカのFDAでも未認可の商品を個人輸入してしまうと、大事な歯にダメージが起きる可能性があります。また、薬剤を多く使ったら、トレーからはみ出し、歯ぐきに白い炎症が起きてしまうので、注意が必要です。
ホワイトニングできない人に関するQ&A
ホワイトニングができない理由は、年齢制限や歯の状態による制約があります。たとえば、18歳未満の子供や重度の歯周病・虫歯にかかっている方、知覚過敏の方、歯のエナメル質がひび割れている方、人工歯がある方、妊娠中・授乳中の方、無カタラーゼ症の方、テトラサイクリンによる変色した歯がある方などが該当します。
ホワイトニングの薬剤が、体内で子供の成長を阻害する可能性があるため、18歳未満の子供はホワイトニングができません。
知覚過敏の方は、ホワイトニング後に冷たい物や熱い物など温度差のあるものを口の中に入れた際、露出した歯の根から神経に痛みが伝わりやすくなるため、ホワイトニングが適さない場合があります。
まとめ
ホワイトニングを希望される方は、歯科の定期検診の際に、ドクターやスタッフへ一度ご相談ください。ホワイトニングの前にはしっかりと歯石や歯垢(プラーク)などの汚れを除去することが大切です。