歯ぎしりをする方にはナイトガードと呼ばれるマウスピースをつけて寝ていただくことが多いのですが、果たしてナイトガードで歯ぎしりは治るのでしょうか? 歯ぎしりとナイトガードについてご説明します。
ナイトガードとは?
ナイトガードは睡眠時専用のマウスピースで、睡眠中に歯ぎしりや食いしばりを起こす方につけていただき、歯を守るためのものです。保険適用で作ることが出来ます。
ナイトガードをしばらく使って頂くと、歯ぎしりや噛みしめが起こっている部分がすり減って、穴があいてしまう場合もあります。ナイトガードに穴が開いた部分やすり減りが激しい部分は、睡眠中に歯ぎしりや食いしばりのために歯が強く当たっている部分です。
このように、実際に歯のどの部分に歯ぎしりや食いしばりが起こっているかを確認することが出来ます。更に、マウスピースの厚みの分だけ噛み合わせが高くなりますので、噛む力を緩和する働きもあります。
ナイトガードで歯ぎしりや食いしばりは治る?
残念ながらナイトガードは睡眠中の歯ぎしりや食いしばりから歯を守るためのもので、ナイトガードをつけて寝ても歯ぎしりや食いしばりが治るわけではありません。
しかしナイトガードをつけて眠ることで、睡眠中に上下の歯が強く当たって摩耗することを避けられますので、睡眠中に歯ぎしり、食いしばりのある方は、ナイトガードを使って歯を守りましょう。
歯ぎしり、食いしばりの改善のために
歯ぎしり、食いしばりは原因が不明で、どのようなメカニズムで起こるのかは、正確にはわかっていません。原因として最も多いと考えられているのはストレスで、歯ぎしり、食いしばりの改善のためには、一般的には主にストレスのケアが行われます。
起きている間の歯ぎしり、食いしばりを減少させましょう
眠っている間は無意識で行っている歯ぎしり、食いしばりですが、起きている間に起こるのは、「癖」と考えられます。そのため、起きている時に歯ぎしり、食いしばりをしてしまう方は、その癖を治すようにしましょう。
覚醒時にご自身で気をつけての歯ぎしり、食いしばりを行わないようにすると、睡眠時の歯ぎしり、食いしばりも減少するという報告もあります。
リラックスしましょう
故意にリラックスするというのは案外難しいものですが、コツがあります。力を抜くためには、最初に力を入れることが重要です。1~2秒の間、力を入れて噛みしめて、次に顎の力を抜いて上下の歯を離します。呼吸を合わせて行ってみましょう。大きく息を吐いた時にお口だけでなく全身を脱力させて、上下の歯を離すようにします。
日頃のストレスや悩み事が口から出ていくのをイメージして、数回行います。
ナイトガードの使い方
ナイトガードは寝る前に歯に装着します。そのままつけて眠っていただき、朝起きたら外します。
ナイトガードのお手入れは、柔らかい歯ブラシを使って洗います。歯磨き剤をつけると研磨剤のためにマウスピースに細かい傷がついて雑菌が繁殖する原因になりますので、使わないようにしましょう。
ナイトガード専用のクリーナーや矯正のリテーナー用の洗浄剤を週に1~2回お使い頂いても良いです。
きれいに洗ったら、コップに水を入れて、その中に沈めて保管します。旅行に持っていかれる場合は、水から出してケースに入れて持ち運びます。
ナイトガードはプラスチック製でお湯につけると変形します。そのため洗う時はお湯を使わないようにしましょう。
睡眠中の歯ぎしりとナイトガードの使用に関するQ&A
ナイトガードは歯を守るためのものであり、歯ぎしりや食いしばり自体が治るわけではありません。ただし、歯の摩耗を防ぐ効果はあります。
ナイトガードは寝る前に歯に装着し、そのまま寝て、朝起きたら外します。
ナイトガードのすり減りや穴が開いた部分は、歯ぎしりや食いしばりが特に激しい部分を示しており、どの部分にストレスが集中しているかを把握する手がかりとなります。
まとめ
歯ぎしり、食いしばりはストレスや噛み合わせの悪さによって生じると考えられていますが、確かな原因はわかっていません。そのため、ストレスの緩和を心がけながら、ナイトガードをつけて就寝することで、歯へのダメージを減らします。
ナイトガードは、睡眠時につける専用のマウスピースで、装着して眠るとマウスピースの厚みがクッションとなり、上下の歯が直接当たるのを防ぎます。
ナイトガードがすり減らなくなってきたら、歯ぎしり、食いしばりの症状は改善していると考えられるため、徐々につける日数を減らしていくことも可能です。