親知らずはどんな痛みがあるのか、抜く必要があるのか、歯科の治療において気になるところです。親知らずはどんな歯・痛みが生じるケースなど、詳しくご紹介いたします。
親知らずとは
親知らずとは、奥歯の中でも最も奥に生える歯です。一般的には親知らずですが、専門的には第三大臼歯や智歯(ちし)と呼ばれます。12~13歳頃で乳歯と永久歯が混ざった混合歯列期が終わり、すべて永久歯という歯並びが完成します。親知らずは更に遅く生えてくるケースが多く、20代前半に生える方、人によっては歯肉や骨の中で埋まっている状態のまま生えない方や、埋まる歯も見当たらないという方もいらっしゃいます。
上下左右合わせて4本生えるはずの親知らずですが、生え方も様々です。
- 通常と同じくまっすぐに歯肉から生えてくる
- 歯茎を被った状態で半分だけ生える
- 斜めに傾いてしまったり横向きに生えてくる
昔と比べて加工されている柔らかい食べ物が多い現代です。そのため、現代を生きる人々の顎(あご)は、昔と比較しても小さいのが特徴です。親知らずが生える位置がないという理由で、正常に生えきらない親知らずが多いのでしょう。
痛みがなくても抜く必要があるの?
親知らずが生えていても、特に痛みなどの症状がないケースがあります。歯科医師に案内されて初めて親知らずの存在に気づく方も少なくありません。
- 歯科医院の定期検診に通院した
- 歯科医師から親知らずを指摘された
- 親知らずを抜歯した方が良いと言われた
痛くもない歯を抜く必要があるのかと患者様は疑問に思われるかもしれません。あごに広さがあり、上下噛み合わせる歯としてきちんと機能しているる親知らずは、大切な歯なので抜歯を行う可能性は低いと言えます。ただ、何らかのリスク要因になっている場合は抜いておくべきです。
- 感染⇒むし歯・歯周炎が親知らずや親知らずの周囲に発生している
- 不正咬合⇒親知らずが生えたことで上下の噛み合わせが悪くなった
上記のように感染や不正咬合と歯医者さんから説明をされた場合は、自覚症状がなくても、親知らずが原因ですので抜くことをおすすめします。
親知らずに痛みが出るケースを教えて
親知らずに痛みが生じるのはこの3つのケースです。
- 親知らずが生える(萌出する)時の痛み
- 智歯周囲炎
- 親知らずが虫歯になった
親知らずが生える時の痛み
他の永久歯は生える時に疼痛などがないのに、なぜ親知らずが生える時に痛いのでしょうか。それは、歯並びを押すことによる痛みです。親知らずは、歯茎や前の歯を押しスペースを確保しようとします。永久歯の並んだ歯列が押される圧迫感、力で痛みを感じることがあります。
智歯周囲炎
親知らずがきちんと生えて噛み合わせている場合にはなりませんが、親知らずが半分出て半分歯ぐきで覆われている場合などに起こりやすい感染です。半分出た状態のままの親知らずは、歯と歯茎の間に食べかすや歯垢(プラーク)が溜まりやすくなります。歯垢には細菌が溜まり、繁殖したまま放置しておくと重症化して、膿が出る・頬が腫れる・口が開けられなくなるというトラブルが起きます。智歯で起きる歯周病とお考えください。
親知らずが虫歯になった
他の歯と同じように虫歯になり進行した場合、痛みが起こります。前歯と違い、歯磨きで後ろの方は届きにくいため、汚れが除去できず不潔になりがちで、腫れや炎症を起こしやすいです。他の歯と同じように処置を行わなければなりません。
親知らずが痛む時の対処法
- あごのあたりに痛みが長く続いている
- 口が開きにくかったり顔の腫れがある
このような時には早めにかかりつけのクリニックへ痛みを相談し、なるべく早めに対応をしてもらうようにしましょう。時間の都合上すぐに予約が難しい場合は、痛み止めなどの薬を服用してください。血流を良くするような激しい運動はせず、安静にしておきましょう。
親知らずの痛みに関するQ&A
親知らずが生える時の痛みは、他の歯列を押しスペースを確保するために起こります。歯茎や前の歯に圧迫されることで痛みを感じることがあります。
長時間続く痛みや口の開きにくさ、顔の腫れがある場合は、早めにかかりつけの歯科クリニックに相談しましょう。予約が難しい場合は、痛み止めの薬を服用することができます。また、血流を良くするために激しい運動は避け、安静にしておくことも重要です。
痛みを伴う場合でも、必ずしも抜歯が必要とは限りません。ただし、感染や不正咬合などのリスク要因がある場合は抜歯を検討する必要があります。歯科医師の指示に従い、個別の状況に合わせて最適な治療を受けることが重要です。
まとめ
- 親知らずの萌出が可能なあごの広さかどうか
- 親知らずがまっすぐ生えて噛み合わせることができるか
- 自宅での歯ブラシでのケアをしっかり行っているか
- 歯石を除去してもらうクリーニングやメンテナンスを定期的に受診しているか
このような点により、親知らずによる痛みが生じるか生じないかという差が生じます。親知らずの抜歯が必要と言われた場合は、ドクターによる説明を聞き、不安な点は質問をしてください。納得をして安心安全な状態で抜歯を行うようにしましょう。