子供の歯が抜けないけど大人の歯が生えてきたというお子様のお口を見ると、不安を覚えるパパやママは多いと思います。今日は、乳歯が抜けない理由などを説明し、どうすれば良いのかなど対処についてご紹介いたします。
歯が抜ける順番
まず、乳歯から永久歯に生えかわる年齢ですが、5歳位から中学生までの間です。身体の成長速度にばらつきがあるように、歯の生え変わりにも個人差があります。一般的に歯が抜ける流れには順番があります。
- 下の顎の前歯(乳中切歯・乳側切歯)
- 上の顎の前歯(乳中切歯・乳側切歯)
- 下の顎の糸切り歯(乳犬歯)
- 下の顎の奥歯(第一乳臼歯)
- 上の顎の糸切り歯(乳犬歯)
- 上の顎の奥歯(第一乳臼歯)
- 下の顎の奥歯(第二乳臼歯)
- 上の顎の奥歯(第二乳臼歯)
基本的には、下顎の次は上顎の同じ位置の歯が抜けていくと覚えておきましょう。
歯が抜けるメカニズムと抜けない原因は?
乳歯が抜けるメカニズムをご案内します。
乳歯が抜けるメカニズム
- 乳歯の下の歯茎の部分に永久歯の歯胚(歯の赤ちゃんのようなもの)が埋まっている
- 歯胚は永久歯として生えられるように成長する
- きちんと生える準備ができれば、永久歯は乳歯の歯根を溶かし、乳歯が抜けやすい状態を作る
- 空いたスペースに永久歯が生える(萌出)
歯が抜けない原因
下記のような原因で歯が抜けないケースがあります。
- 永久歯の成長が遅い方
- 先天性欠如歯で永久歯がない方
- 埋伏歯(歯肉の中に過剰歯が埋まっている)がある方
乳歯が抜けないまま大人になる方は10%未満ですがおられます。男性よりも女性に多いと言われますが、原因ははっきりとはわかっていません。ただ、食生活で柔らかい食べ物をとる機会が増えて、あごの成長ができないことも一因と考えられています。
抜けないのに歯が生えてきた場合はどうすれば?
乳歯の内側に小さい永久歯が見えてきた時には、保護者の方は注意深く見てください。その後乳歯が抜けた場合は、舌や歯の噛む力によって、歯の位置は変動します。ただし、抜けずに痛みを覚える場合は、歯科医院へ通院し、乳歯を抜歯する必要があります。必要かそうでないかは、小児歯科の歯科医師に診断してもらいましょう。
グラグラしている歯は要注意
乳歯がグラグラしているけれど抜けない状態ならば、お子さんの経過を見守るというのも大切です。とはいえ、ぐらぐらしているのが気になり、指で触ってしまうお子さんがおられます。また、乳歯が抜けないのに永久歯が生えてくるケースでは、二本の歯が重なることで、食べかすや歯垢(プラーク)が溜まり、歯ブラシによる歯磨きでうまく磨くことができず、細菌感染を起こす可能性が高く、下記のケースに陥ってしまいます。
- 永久歯と重なる部分が虫歯や歯周病になってしまう
- 永久歯の歯並びに影響を及ぼし、不正咬合(出っ歯・受け口・八重歯・歯のガタガタなどや噛み合わせの悪さ)になってしまう
歯並びが気になる場合は、無料カウンセリング(当院は予約制)を活用し、スタッフやドクターに遠慮なくご相談ください。
- 矯正治療が必要かどうか
- 咀嚼機能はどう改善するか
- 綺麗な歯並びはお顔だちや心の健康にどのような影響を及ぼすのか等
治療計画や治療にかかる期間、費用など具体的に提示してもらえます。
まとめ
6歳になって歯が抜けないのに、大人の歯が生えてきたという場合、抜歯の必要性や、お口の健康状態の確認も含めて、一度歯医者さんへご来院ください。抜歯の必要性の有無が判明しますし、歯科衛生士によるクリーニングやフッ素塗布を行ってもらえれば、お子さんの歯の質は強くなります。定期的にむし歯チェックを兼ねて通院すれば大きな虫歯になる前に対処もできます。予防歯科として大切な歯を痛めないために、とても効果的です。