歯茎の腫れは広い年代に起こるポピュラーな症状です。
歯みがきの時に出血した経験がある方も多いのではないでしょうか。
歯茎の痛み・腫れの原因の前にまず健康な歯茎について見てみましょう。
歯肉はピンク色をしていて、歯と歯の間の歯肉はきれいな三角形です。
そしてプラーク(歯垢)が付着していません。
では、歯茎が痛む・腫れる原因を見てみましょう。
歯のみがき残しがあったり、歯並びの影響でうまくみがけていない箇所があったりなど、お口の中が清潔に保てていないとプラークがたまり、歯肉炎の原因になります。
そして歯肉炎の症状として歯茎が腫れてしまいます。
歯茎の際が赤くプクっと腫れて出血しやすくなります。
軽度の歯肉炎であればしっかりと歯みがきをすることで症状は改善します。
歯石が溜まると、歯石の表面はザラザラとしているので、そこに歯垢が絡みつきます。
歯茎はずっと炎症が起こった状態となり、腫れます。
この場合は歯みがきをしても歯茎の腫れは引きません。
重度の歯周炎になると、歯を支えている骨は三分の二以上が溶けて、歯周ポケットは非常に深くなり、歯がぐらぐらと動きだし物が食べにくくなります。
歯根に大量の歯石が付き、歯肉は下がり歯根が見えてきます。また歯茎は赤く腫れていて、歯と歯肉の境目からは膿がでてきます。
健康な歯肉 | 歯肉炎 | 歯周炎 | |||
軽度 | 中等度 | 重度 | |||
歯周ポケットの深さ | 1〜2mm (歯肉溝) |
2〜3mm | 3〜5mm | 4〜7mm | 6mm以上 |
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症状 | 歯周ポケットはなく、歯茎が引き締まった状態です。 | 歯石や歯垢が溜まり始め、歯肉が赤く腫れています。 歯みがき時に出血することがあります。 |
見た目は歯肉炎と変わりませんが、腫れが大きくなり、骨も溶け始めています。 | 骨が溶け、歯が動き始めます。 歯肉も赤く腫れあがり、口臭・出血・不快感が出てきます。 |
歯肉は化膿し、真っ赤です。 歯根も歯石で覆われています。すでに歯を支えるのも困難な状態です。 |
詰め物・被せ物の精度が低いなど、歯との適合性が悪い場合。
「悪い」というのは歯と詰め物・被せ物との間に段差が生じている状態のことで、段差があるとそこに細菌が繁殖した状態になります。
歯茎の炎症や痛み、腫れ、出血、膿みが出るなどの症状が出てくることがあります。
この適合不良を放っておくと歯周病が進行することになります。
神経を取る治療をした歯や神経が死んでしまっている歯に、何らかの理由があって歯の中に細菌が侵入して増殖した後、その細菌の毒素や細菌の死骸や糞が根の先に押し出されて歯根の先に膿を溜めることを「根尖性歯周炎」と言います。
根尖病巣が化膿すると、歯茎が腫れます。
根尖病巣に膿がたまると、歯茎が盛り上がり赤や黄色く腫れ、膿が大量に溜まると痛みが強くなります。
痛みが強くなる場合は麻酔をし、膿を出す処置が必要になります。
歯根破折はその名の通り、歯の根っこにヒビが入った状態のことを指します。
歯根破折になると、歯茎が腫れる、出血する、歯がグラつくなど、歯周病が進行したかのような症状が出てきます。
また、歯にヒビが入ることで歯の根の先に膿が出来、そこから歯茎におできのような膿みの出口(瘻孔ろうこう)が出来ることもあります。
歯ぐきは、薬の副作用でも腫れることがあります。
けいれんを止める抗てんかん薬、高血圧治療薬のうちカルシウム拮抗薬、臓器移植や自己免疫の病気で用いられる薬で歯肉肥大の副作用があることがわかっています。
この歯肉肥大は、若い人ほど、また服用量が多いほど重症化する傾向があります。
また、歯垢が多い程重症化することもわかっています。
上記の薬を引用されている方は定期的に歯科を受診し、お口のコンディションを整えておくことが大切です。
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